今年最後の調理プログラムと出店販売

今年6月からは調理プログラムの形態をグループから個人へと切り替え、一品または簡単ランチのシェフをメンバー1人で担当して行っていました。この間、複数回シェフに挑戦し技術と自信をつけたメンバーもいます。

12月24日(火)、今年最後となる調理プログラムは久しぶりにグループでの調理、公民館の調理実習室をお借りして実施しました。メニューはバターチキンカレー、シーザーサラダ、コーヒーゼリーの3種類。

今回つくるカレーは市販のルウを使わずに、各種スパイスやバター、ヨーグルトなどの乳製品をたっぷり使ったレシピです。ちょっと見慣れない手順のためか担当メンバーがなかなか現れませんでしたが、二人のメンバーが名のりをあげ、大量のみじん切りや、じっくり炒める、スパイスを焦がさないようにと丁寧な作業を上手く分担して絶品カレーが仕上がりました。迷った末にカレー担当を決めたメンバーは、当日まで不安と緊張が強かったとのこと、味わい深さ倍増、身体も良く温まるカレーでした。

シーザーサラダは温泉卵に苦戦、レシピ通りの温度、時間管理をしたはずが割ってみるとほぼ生の状態…どうしよう…と秘かにうろたえるスタッフ、そんなことでは動じないメンバー(笑)見事リカバリーに成功?それなりの温泉卵ができました。バゲット担当メンバーはよく相談、協力しながら調理をすすめ、ガーリックオイルがきいたバゲットは初めて作ったとは思えない完成度でした。レタス担当メンバーは水切り器の音をギュンギュン鳴らして回転させ、水切れ抜群。ごちそうサラダができました。

コーヒーゼリーは、インスタントではなくドリップしたコーヒーで作るレシピ。参考レシピは2人分、今回作るのは13人分。4回に分けてドリップするのは予想以上に時間がかかります。担当メンバーは一人です。それでも蒸らし時間を省くことなくすべての回、丁寧にお湯を注ぐメンバーの根気強さは圧巻でした。ゼラチンに至っては水、ゼラチンとも6.5倍で正確に計量したものの、どう見ても水が足りずまったくふやけない。またもや秘かにうろたえるスタッフと動じないメンバー(笑)13人分となると計算通りにいかないこともありますね、予想外の事態にも冷静なメンバーが本当に頼もしい限りです。ふやけ切らないゼラチンも熱いコーヒーの中で無事溶けてゆきました。

 

 

午後はこの本格的なコーヒーゼリーを味わう会=クリスマス会を開催。メンバーそれぞれの苦労、失敗、事件や悟り、出会い、発見にまつわるエピソードが散りばめられた「たぬきすごろく」を楽しむメンバー、それを見守るメンバー、コーヒーゼリーの飾りつけに挑戦するメンバーと思い思いに過ごしました。賑やかすぎない、でも一人一人の表情に明かりが灯ったようなひと時だったと思います!

この日は、今年最後の出店販売があり、スタッフ1名が出向きました。たぬきメンバーも通院している病院でのクリスマス恒例の出店販売です。クリスマスにちなんだオーナメントや、プレゼント用にとツボ押しケース、コインケース、職員さんにはネームホルダーが人気でした。6年前に購入したというキーケースを大事に使ってくれている患者さんから「変わらないですねー」というお声がけをいただき、商品のことなのかスタッフの容姿のことなのか真剣に考えあぐねているうちに、入院・通院されている患者さんやご家族など、たぬき工房に馴染みのあるメンバーの他、たぬき工房発足当時の懐かしい面々や、保健所デイケアで関わった患者さんなど、多くの方が立ち寄り、お互いの近況を賑やかに報告しあう時間を過ごしました。
「入院していてもクリスマス、お正月はやってくるんだよなぁ」と立ち寄っていく患者さんたちのそれぞれのクリスマスに、少しでも彩りを添えることができれば…という思いで、毎年、クリスマス時期に出店をさせていただいています。お声がけくださった皆様、職員の方々、ありがとうございました。