平成30年度 看護実習受け入れ終了

7月から始まった看護実習。10月末までの間に、20名の看護学生が実習を行いました。
看護実習といっても、血圧測定や採血といった実践的な実習ではなく、「地域看護」という、地域社会と医療との連動性を学ぶ実習です。主に、たぬき工房のような福祉的な社会資源がどのように機能し、医療との連携を図っているのかを学ぶというのが実習課題となっています。とはいえ、これだけの壮大なテーマを2日間でこなすのは無理難題。やれないことをやれたことにしてしまうくらいなら、学生自身が学びたいことを計画化する実習にしてしまおう!というのが、たぬき工房での実習です。

オリエンテーションを受け、学生自身が情報収集、計画の立案、コーディネート、実践、検証を行う流れの中で、10月の実習生は何を感じたでしょう?

 

———-以下、学生からのコメント———-

利用者さんと面談や作業を共にさせていただき、楽しさや新たな発見がありました。面談をさせていただく中で自分の思いを素直に表現することや、どんなことでも自分の為に一生懸命取り組むことで創造性が豊かになることや、その先にある将来のじぶんを創ることに繋がるのだと学びました。また、“人生の楽しみができた”、“集中して作業できる空間があって自分を見つめ直せる”という声があり利用者さんにとってたぬき工房は自分自身を表現できる居場所になっているのだと感じました。私自身も自分のことを見つめ直す機会となり、目標や希望を持つことの大切さや自分を表現することの大切さを学びました。2日間ありがとうございました。
石井 結衣

たぬき工房の2日間の実習を通して、日常的に生活している上ではあまり関わることのないような利用者の方々と関わったことで貴重な体験をさせた頂くことが出来ました。2名ほどの方と面談を行い、人の話を意図的に聞くこと、自分の思いを伝える方法のポイントを知り、相手の話を聞くことが楽しく感じました。むやみに話したり行動したりするのではなく、着地点を明確にすることで、そこに辿り着くために必要な過程は何か具体的に見出し、行動することで自己像に近づけると学びました。今回の学びを活用し前に進んでいきたいと思います。ありがとうございました。
栗林 紗希

2日間実習させていただく中で利用者さんとの関わり方であったり、自分の行動を決めるにあたっての目的や根拠がそこにない限り漠然としたまま終わってしまい、本当に学びたいことを学ぶことができないと気づくことができました。2日間という短く限られた時間の中でどれだけ初めて関わる利用者さんに本当の自分を見せて、目的を達成するためにも相手と円滑にコミュニケーションがどうしたらとれるかなど、考えることは多くありました。自分は相手に考えや思いを伝えるときに簡潔にできず、良く見られたいという思いから素直になれていないことがありました。しかし、客観的に自分のことを考え、表情を意識したり素直な感情を伝えることで、相手にも伝わりやすく、一緒に楽しみながら場を共有することができました。患者との信頼関係を構築していく中で、看護師は良く思われようと良い言葉ばかり並べても構築できるわけではなく、治療効果などにも繋がってくることもあると思うので、自分の素直な気持ちを相手に伝えることの大切さを学ぶことができました。2日間、ありがとうございました。
高橋 優輔

今回の2日間の実習を通して、利用者の方と同じ日課を過ごさせていただくことで地域活動支援センターが、ただ社会復帰に向けての支援を行っているだけでなく、社会から偏見を持たれやすい精神疾患の方々が人とつながるための場所を提供しているのだと知りました。利用者の方の助言の元、実際に革細工を体験させていただいたときに、「作品を見せた時にどんな感想を言われるかな」と楽しみに作品作りを行いました。自身の体験から、一見一人で黙々と作業を行っているようでも、その向こう側には常に人がいるのだと感じました。私は、相手の反応に対する恐れや恥ずかしさから、人に自分の素直な気持ちをそのまま言葉にして伝えることが苦手でしたが、作品に対して「なかなか良いんじゃないですか」と言っていただけたときは、心から「嬉しいです。○○さんのおかげでこのような素敵な作品ができました。ありがとうございます」と伝えることができたように思います。それは実習を行う中で、相手に寄り添うためには自分の「隙」を見せることが大切であると学ばせていただいたからです。実習を行う以前はどちらかというと「怖い」というイメージの強かった精神疾患の方に対し、今では「常に世間や自分自身と闘い続ける方」という印象が強くなりました。少しでもそのような方々の支えになれるよう、確かな知識・技術をもっているだけでなく、疾患を抱える方が「この人になら自分の辛さを話してみたいな」と信頼を寄せていただける看護師になりたいと思います。2日間のご指導、ありがとうございました。
横澤 和佳

たぬき工房で実習させていただき、ただ自分の考えを伝えるだけでなく、相手に伝わる言葉で相手の質問の意図を考えることが大切だと学びました。考えているようで実は表面的にしか考えられておらず、自分で考えて自分で発信することの難しさを感じました。また、利用者さんと一緒に料理やグループミーティングを行い、利用者さんのたぬき工房に対する思いや病気に対する思い、今後の目標や夢を聞くことができました。それぞれの目標や夢に向かって一生懸命作業に取り組んでいる姿をみて、私も見習わなくてはいけないと感じました。私は話を聞くときの姿勢や相槌の打ち方などが課題であると感じたので、今後勉強していきたいと思います。2日間実習させていただきありがとうございました。
岡田 和佳奈

今回のたぬき工房での実習を通して、自分の考えをしっかり持ち、他者に伝えるということの大切さを改めて感じることができました。私は今まで、その場を乗り切るために発言していたこともあったのだと気付かされました。しかし、今回の実習では、自分たちで1からプログラムを考え、目的を持って行うことで、自分たちで考えたことが思い通りにできたときの達成感はとても大きいものだと感じることができました。また、利用者さんのお話を聞く中で、たぬき工房は利用者さんにとって、とても居心地の良い場所となっているのだと感じました。たぬき工房に通い始めてから生活が楽しくなったという話を聞き、自分の居場所を見つけることで生活も充実し、楽しいものになっているのだと感じることができました。2日間という短い間でしたが、利用者さんとお話ししたり、料理をしたりと、とても楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。
石羽澤 安奈

今回、実習させていただいて、自己の考え方について学びました。普段、物事を考える際に論点や論拠、意思について深く考えておらず物事を考えているという事に気が付きました。深く考えてプログラムを作成し、実際に行うことによって、より学びの多いものであったと感じます。また、緊張している私たちでありましたが、メンバーさんから話しかけていただ、楽しくお話しすることができました。普段、精神疾患を持ち、就労に向けて生活している方と携わる機会がないため、2日間ではありましたが実際を学ぶことができました。実習させていただき、ありがとうございました。
秋場 未来

2日間の実習ありがとうございました。たぬき工房の実習では、改めて考えることと伝えることの大切さと難しさを感じました。考えることについて、私は今まで言われたことを言われたままにしか動けなかったり、自分で考えて判断することを避けてきていたのだと実感しました。そのため、たぬき工房で自由に考えて行動してくださいと言われたときに、何をしていいのか、何をしたいのか考えることに苦戦しました。また、伝えることについては、5分間スピーチをしてみて、自分の話を5分間することがとても大変なことだとわかりました。そのため、自分の課題は、考えることと伝えることだと思いました。今回学んだ、論点・論拠・意志をふまえて考えることで、自分の考えが整理され相手にわかりやすく伝えられるということがわかりました。看護師は、言いたいことが障害により伝えられない患者さんや、家族の負担や経済面を考えると伝えることができない状況にある患者さんにとって、一番近くにいる看護師が、患者さんの話を聞き、その思いを代弁者となり伝えていることも看護師の仕事です。それができ、患者さん、家族と信頼関係が築けるような看護師を目指したいと思いました。
利用者さんと作業を一緒に参加させてもらったり、お話しをさせていただいたりする中で、どの利用者さんも作業を教えて頂いたり、快くお話をして頂き、温かい気持ちになりました。そして、自分の話を聞く態度を改めることで、自分の作ったものを見てほしいという想いがあること、役に立ちたいという想いがあることなどを感じ取れ、利用者さんの変化を実感することができました。今回たくさんの利用者さんと関わらせて頂き、実習の後半にはもっともっと利用者さんのことを知りたいという想いをもちました。そのため、知りたいという想いにより、いつも意識して注目している表情やしぐさの観察、話を聞く姿勢も当たり前にできるようになるのではないかと感じました。また、利用者さんの話をじっくりと、利用者さんの立場で話を聞けるようにすることで、想いに寄り添うことができるようになりたいと思います。今回利用者さんと関わり学んだことや、支援員さんから学んだことを意識して今後の実習に活かしていきたいと思います。2日間ありがとうございました。
渡邉 晴蘭

自然豊かな静かな環境のなか木のぬくもりや、柔らかなBGMがかかるたぬき工房は暖かな雰囲気が広がっていました。2日間の実習を通して、自分の素直な思いや考えを他者に伝えることの難しさ、自分の意思を明確にすることの大切さを学ぶことができました。意志を明確にして、それを他者に伝えるとき、私は「こうでなければならない」と考え自分を作り、素直な思いを封じ込めていることに気づきました。素直に思いを他者に伝えた時、心の奥のモヤモヤが晴れ、かっこ悪くてもグチャグチャでもいいから声に出すことの大切さを知りました。
又、利用者との面談を通してたぬき工房にきて作業を行うことが楽しいです。という言葉を聞き、たぬき工房は嬉しい気持ちや楽しい気持ちになれるかけがえのない場所なのだと理解できました。人のぬくもりや暖かな雰囲気を感じられ、楽しく幸せな時間となりました。
矢島 葉

———-以上、学生からのコメント———-

看護実習が終わり、40枚に渡る実習記録をあらためて読み直し、学生の不安気な表情から自信に満ちてくる瞬間や、真剣に悩み、決断していく姿など、さまざまな場面が思い出されました。
看護師の離職率が高まっていますが、やりたいことを見つける力、自分の考えを言葉にする力が自分自身の柱になることに気づいた学生は、きっと大いに活躍することでしょう。
「看護師を辞め、民間企業に再就職するには国家試験合格以上の努力と忍耐が必要」という実習担当者の脅しにもめげずに頑張った学生の皆さん。たぬき工房での実習経験が、さまざまな場面で活かされることを祈っています。