平成30年度 看護実習受け入れ 8~9月

「緊張していますか?」
「・・・・・・緊張しています」
「何に緊張しているのですか?」
「ちゃんとやれるかどうか心配で…」
「何をちゃんとしたいですか?」
「え、何だろう…」

まだ、あどけない雰囲気が残る看護学生さんは、「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」という言葉を当たり前のように使うものの、何に対してなのか?の問いに戸惑う場面が多く、毎回、実習担当者としての力量が問われます。

「何に不安を感じているのでしょう?」
「沈黙が続いて、相手に嫌な思いをさせてしまうかも」
「考えがまとまらないので、言葉にできなくて…」

学生自身が感じているその不安こそが、精神疾患を抱える方の悩みや苦しみの種であることに気が付いてもらうところから、本当の意味での実習が始まります。
その学生さんたちの奮闘記~8・9月編~をお届けします。

———-以下、学生からのコメント———-

実習で参考資料の本(伝わる・揺さぶる!文章を書く:山田ズーニー著)を読む時間をいただき、論点・論拠・意思という構成で考えると、とても分かりやすく、自分の考えが整理されていくのを実感しました。自分の考えが相手に伝わった時の嬉しさや、上手く伝わらなかった時にどうしたら伝わるかとさらに考えることはとても楽しいことだと感じました。そして今まで浅はかな考えでここまで来てしまった自分を残念に思いました。考えないことは時に人を傷つけたり、信頼を失うこともあると思い、考えることの大切さを学ぶことができました。これからも考える楽しさを忘れずに、考えが分かりやすいと他者から評価されるように、普段からプロセスを大切にしていきたいと思います。2日間ありがとうございました。
江澤 香子

2日間実習をさせていただいて、自分のこれまでの物事に対する考え方を振り返るきっかけとなり、自己の課題を見つけることができました。相手に自分の考えや意思を伝える時には論点・論拠・意志を基に考えることができれば、自分の考えを整理することができ、何を伝えたいのか明確にしてから相手に伝えることができることを学びました。看護師は、患者さんやその家族とのコミュニケーションが欠かせない職業であり、伝え方に問題があれば、患者さんや家族は不安になったり、看護師への信用がなくなってしまうことにもつながってしまうと思います。今回学んだ伝わる文章の書き方や伝え方を活かして、患者さんや家族から信用される看護師になれるように意識していきたいと思います。
利用者さんとの関りを通して、病気と向き合おうとしている姿から精神疾患のある方々を支えるサポート体制が現状よりも良くなっていくことができれば、心の負担は減り病気の改善につながるのではないかと感じました。
今回の学びを看護に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
久保 あすか

たぬき工房で実習をさせていただき、利用者の方とお話をしたり関わるなかで相手に伝わりやすくする工夫について学ぶことができました。今後の実習でも活用していきたいと思います。革細工の作業行程や白玉あんみつを作ったことで、より利用者の方を理解することができました。家に帰っても頑張ることができました。ありがとうございました。
山内 さくら

利用者さんと関わって、自分の考えを相手に分かりやすく伝える難しさや、会話の中で間を使うことの大切さを学ぶことができました。利用者さんと1対1で面談を行った際に、利用者さんが経験したからこそ分かる病院生活や社会生活について知り、利用者さんの思いを理解することができました。また、多くの利用者さんと関わって、自分では気づくことができない思いを知ることができ、会話を通してとても嬉しく感じました。
ありがとうございました。
水野 麗

2日間の実習を通して、一緒に料理やお菓子作り休憩中の会話などを通して本当に楽しく過ごすことができました。面談では、自分の気持ちを前向きに保とうと努力されている姿、家族への思い、また行きたいと思える所がたぬき工房であることを知ることができました。利用者さんにとってたぬき工房は、自分が自分のままでいられる場所であり、安心できる場所なのだと理解しました。たとえ周囲の風当たりが強く感じられるときでもたぬき工房に来れば、元気になれるそんな場所なのだと理解しました。2日間ありがとうございました。
阿部 綾子

今回の実習では、今まで自分はあまり自分の考えを持たずに「やらなければならない」という思いで物事に取り組んできたことに気づきました。これからは自分の考えを持って目的を持って行動することや、自分の考えを相手にわかりやすいように頭の中で言葉を変換してコミュニケーションをとっていこうと思います。また、メンバーの方とお話しをさせていただき、「100%で患者のことをわかろうとすると自分が潰れてしまうから自分を大切にしてください」というお言葉をいただいたのが印象的でした。相手のことを大切にするにはまず自分のことを大切にすることが大切であるので、自分の気持ちに素直になろうと思いました。2日間ありがとうございました。
谷地 莉香子

2日間の実習を通して、相手に自分の気持ちを素直に伝えることの難しさを学ぶことができました。特に自分に素直になるという点について、私は自分の嫌な部分が見えることに恐怖や不安を感じ、これまで自分と素直に向き合うことができませんでした。しかし、その場を乗り切るために、人から良く思われたいために発信する言葉に中身はなく、自分にとって何の学びにもならないことが分かりました。素直な気持ちを伝えるために、まずは自分自身に対して素直に向き合っていきたいです。
また、“治療を継続するために気をつけていること”をテーマにして、利用者さんとグループミーティングを行いました。その中で、「医師との信頼関係があるから、治療を続けられている。」という言葉から、医療者と患者さんとの間における信頼関係が、患者さんの治療の継続につながっていくことが分かりました。看護師として、患者さんとの信頼関係を構築できるよう日々の関わりを丁寧に、大切にしていきたいと思います。
2日間、ありがとうございました。
鶴田 珠理

2日間の実習を通して考えることの大切さを学ぶことができました。実習するにあたっての自分の漠然とした気持ちについて、なぜそう思うのかと突き詰めていくことで自分の中にある思いや考えに気づくことができました。また、なにかに取り組むことに対して、なぜ取り組みたいと考えたのかを考えることで自ずと取り組むことに対しての目的が明確となりました。考えることは自分の考えや人生を豊かにしてくれるものであると感じました。体力増進プログラムに参加させていただいた際に、体力増進プログラムに参加することは利用者さんの気分転換となっていることがわかり、地域で自立した生活をするうえで必要な活動となっていることがわかりました。利用者さんとグループミーティングをさせて頂いた際には、利用者さんの思いがわかり、看護師になるうえで考えていかなければならないことを見出すことができました。今回の学びをこれから活かしていきたいと思います。2日間ありがとうございました。
櫻井 夏稀

———-以上、学生からのコメント———-

こうあるべき、こうしなければ、という見えないプレッシャーを相手に、もがき苦しむ自分を解放するには、自分の意志を見つけることが最善策であるとわかるまで、じっくりと学生と向き合い、自分の言葉を探すヒントを与えると、自分に力がないわけではなく、意志がはっきりしていないから結果が出ない、ということに行きつきます。
そして、今まで自分の考えや言葉を縛っていたのは、他の誰でもない自分だったと気が付いた時の学生の反応は、ことのほか素直で真っすぐなものでした。

学生3人を相手に、ひとりで面談を引き受けてくれたメンバーの感想のひとこと

「幸せでした」

軽やかでいてなお、発する人の体温が感じられる、こんなひとことが出せるようになるまでに、どれだけの苦労と努力を重ねたのだろうと、スタッフ自身の学びにもなった8~9月の看護実習でした。