平成30年度 看護実習 受け入れスタート

7月5日より、千葉労災看護専門学校の看護実習がスタートしました。たぬき工房での実習受け入れの歴史は長く、毎年、実習そのものがドラマのような舞台となっています。
たぬき工房での看護実習は、学生自身が学びたいことに対して実習計画を立て、実践を行うスタイルを取っています。
今も以前も、学生の真剣な姿勢に大きな変化はないのですが、医療の高度専門化による知識・技術量が激増し、看護教育そのものが詰め込み式になってきているためか、ここ数年の学生は常にやることに追われ、自分のことを蔑ろにしている印象を受けていました。
そこで今年は、実習を通して自分の考えや意見を引き出せるようになるため、「伝わる・揺さぶる!文章を書く(山田ズーニー著)」を使って、自分に向き合ってもらうことから始めました。
この本は、文書を書くためのバイブル的なベストセラーですが、対人援助職として必要なスキルを補うのにもおススメの一冊です。

この本の中にある「考えないという傷」という実例を読み込み、自分自身に当てはめて考えたときに見える景色がどんなものだったのか。実習後の学生のコメントが、その結果を物語っているような気がします。

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2日間の実習を通して分かりやすく人に物事を伝えることの難しさを学ぶことができました。文章を書く時も伝えるときも論点・論拠・意思の3つの視点があれば明確に物事を伝えることができると実感しました。また、多くの利用者の方々と関わらせて頂き、利用者の方々の今後の願いや思いを聞くこともできました。みなさんが目標を持ってたぬき工房にきていることやこの場所が安らぎの場にもなっていることが分かりました。
利用者の方と面談もさせて頂き、これまでの自分の考え方が大きく変わるきっかけにもなりました。改めて精神疾患への理解がまだまだ乏しいことや地域での生活のしづらさが残っていることが現状としてあるため、保健・医療・福祉の連携が重要になって精神疾患のある方々をサポートしていく必要があると感じました。今回学ばせて頂いたことを今後の自分の生活や学習に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
鈴木 雛乃

地域活動支援センターで実習させていただき、今までの病棟実習とは違う学びを得ることができました。まず、一つ相手に伝えることの難しさを知り、これまでいかに疎かにしてきたのかが分かりました。プログラムの中で料理を行う予定を立て、利用者さんに参加を募ろうと声をかけようとしていた私は、「あなたは何のために行おうと思っているの?」と聞かれ、「利用者さんの息抜きとなってほしい」と答えたがそれは自分が何をしたいという答えにはなっていませんでした。考えてみると、本来の目的は料理を通して利用者さんのことを”知りたい”でした。自分の意志を明確にして、伝えないと相手にも伝わらないし響かないとご指導いただき、本当にどうしたいのか明らかになっていないと相手にとっても自分にとっても無意味な関わりになると学ぶことができました。また、プログラムを行う上で①論点②論拠③意志に沿って考え、看護の視点につなげ考える力を養うことができました。これからの実習でも何をしたいのか、まとめる際には3つの視点から考えていきたいと思います。 他にも「伝わる・揺さぶる!文章を書く」という本を貸していただき、読んだ後ディスカッションを行いました。その中の文章では「とりあえず」という言葉で文を片付けていました。自分自身もどうしたらうまく文がまとまるかに着眼してしまい、本当に学んだことや自分の思いが不十分になっていました。本を読むことで自己の傾向へ気づくことができ、今回の実習が改善していくきっかけとなりました。利用者さんとも料理やピアグループミーティング(利用者のみ参加のミーティング)を通して関わらせていただき、たぬき工房への思いや、病気と真正面から向き合う姿がとても印象的でした。私たちに対しても頑張ってほしいと声をかけてくださり、嬉しい気持ちと共に目標を達成できるよう一緒に頑張っていきたいと思いました。今回の学びは自分自身の考え方を変えるきっかけとなる実習となりました。考え方、伝え方についてはどの領域の実習においても必要なことのため、これからも活かしていきたいと思います。
2日間という短い間でしたが、ご指導いただきありがとうございました。
齋藤 香花

たぬき工房さんで実習をさせていただいて、一緒にプログラムに参加する中で、利用者さんの現在の思いについても知ることができ、もっと世間での精神疾患に対する知識の普及が重要になってくると感じました。今回の実習を通して、相手にわかりやすく伝えるための言葉の選択や、相手の伝えたいことの本来の意味について考え感じ取る難しさについて学ぶことができました。またひとつのことに対して一緒に考えていくことの必要性についても学べ、この全ての学びは看護師になる上で大変重要になってくると考える為、今回の学びを生かしていけるようにしていきたいと思います。2日間ありがとうございました。
佐藤 有莉

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自分たちのことを真剣に考えようとする学生に積極的に協力するたぬき工房メンバーの心意気に助けられ、夏から秋にかけて約20名の看護学生を受け入れる予定です。