平成29年度 看護実習の受入を終えて

たぬき工房では、看護学生の実習を受け入れています。
千葉労災看護専門学校の実習先としての歴史は長く、これまでに100名以上の看護学生さんに実習を提供してきました。
実習期間は2日間。スタッフからオリエンテーションを受けたら、プログラムに参加するもよし、自分でプログラムを企画してメンバーに参加を募るもよし、メンバーとじっくり向き合うもよし、という実習です。
最初は戸惑いながらも情報収集を始め、自分の目標の大きさに呆然とし、ハタと気が付き、基本に戻る大切さに気が付いた頃には2日目が終わる…という実習ですが、学生それぞれが、これから自分が担う役割の不安と期待を感じながら、自分が発する言葉の先にある意味を掘り下げ、将来の自分を描いていこうとする姿には、心を打たれるものがあります。
今回は、実習を終えた学生さん、担当の先生からコメントをいただきました。

———-以下、コメント———-
                                   
たぬき工房で実習をさせて頂き、精神疾患を抱える患者さんが、自分らしく納得のいく人生を送ることができるように支援して行くことが社会復帰への第一歩であるという事や、QOLの向上に繋がるということを学びました。
今後、看護師になる者として精神疾患を抱える患者さんの特徴を理解し、その人に合ったペースで関わることで安心して治療ができる環境作りを心掛けていきたいと思います
辻井 理紗

実習を通し、利用者さんと関わらせてもらい、精神疾患を抱える方に対し考えていたイメージが変わりました。話しにくく、どう関わってよいか分からないと思っていましたが、聞いたことに対し様々なことを答えてくれ、普通に接してくれたことがうれしかったです。信頼関係を築いていくためには、相手を知ろうと行動することが大切であることも知りました。話の中で、なぜその言葉を言ったのか、なぜその行動をしたのか、その一瞬のタイミングを逃さず疑問に思ったことを伝えることで、相手の気持ちを知るきっかけになることを実感できました。精神疾患を抱える利用者さんは生活の中で生きにくさを感じながら生活している為、協力して、自分らしく生活できるよう関わることが必要なのだと思います。
齊藤 和美

たぬき工房の施設環境や作業を行っているメンバーの方々がとてもやわらかい雰囲気であったため、一緒に作業をしたりお話をしたりして楽しむことができました。メンバーの一人一人が自分の目標を持ち、作業を行いながら努力していることが分かりました。また、社会復帰へむけてメンバーとスタッフが一体となって活動をしていることが分かりました。良い体験をさせて頂きありがとうございました。
斉木 彩乃

 木の香りや温かさを感じる広々とした空間で、静かに流れるBGMと鳥の声を聴きながら、集中して作業に取り組むことができました。利用者の方もスタッフの方も親切で話しやすく、人も空気もとても居心地のよい場所だと感じました。様々なプログラムの中からやりたい作業やペースを自分で決め、わからないことや困ったことはスタッフの方に相談してアドバイスをもらうことができます。自分に合った心地よいと思える生活の送り方を見つけ、試せる場所だと感じました。2日間ありがとうございました。
大園 真弓

利用者さんの長所や個性を生かしつつ作業を行うことで、疾病からの回復が可能となること、また、ワークショップなどを通して社会との繋がりを広げられるということを学ばせて頂きました。利用者さんと革細工の小物を制作した際には、複雑な工程も分かりやすく丁寧に教えて頂き、利用者さんと共に素敵なしおりを制作することができました。今回の実習では、非常に貴重な経験をさせて頂きました。
相澤 まりあ

たぬき工房さんで実習をさせていただきありがとうございました。2日間実習をさせていただき、行っているプログラム内容や作業工程を見学し、実際に体験させていただきました。革細工や染め物、紙を使ったお皿などを一から手作業で一つ一つ丁寧に作っているということが分かりました。実際にやってみるととても難しく、時間もかかりました。その分出来上がった時には達成感があり、自分で考えたデザインができるため楽しかったです。
齊藤 友里奈

たぬき工房での実習を通して、利用者が社会復帰を目指すために、たぬき工房が重要な役割を持っていることを学びました。また、利用者さんに革細工の工程をゆっくりと教えて頂き、利用者さんが実際作っているものの体験したことで、利用者さんの技術のすごさや時間をかけて1つの物を作り上げる難しさを知ることができました。また、利用者さんと関わりの中では、利用さんと共に体験をすることで、出来上がった作品への愛情や達成感を共感することができました。2日間ありがとうございました。
藤原 朱里

精神疾患という言葉が頭にあったことや、初めての場所で実習をさせて頂くということでとても緊張していました。しかし、実際にメンバーさんと関わっていく中で、私の名前をすぐに覚えてくれ、革細工の内容を丁寧に教えてくれたことや、色合いで悩んでいる時は、声を掛けてくれアドバイスをしてくれました。とてもアットホームな雰囲気であり、不安だった気持ちもなくなり、楽しく作業することができました。メンバーさんとお話をさせてもらい、様々な想いでこのたぬき工房に通われていることが分かりました。メンバーさんと話をしていく中で、初めは、精神疾患は特別だとイメージしていた部分がありましたが、笑いのツボも一緒ですし普通の人と変わりなく、ただ自分で想像を膨らませていただけだったことに気が付きました。メンバーさんに笑顔で迎え入れてくれたことにとても感謝しています。
山田 梨菜

本当にたぬきが出てきそうな自然豊かなところにありました。木のぬくもりを感じる静かな家で、緊張が少し解け穏やかな気持ちになりました。革細工や紙皿のラッピングなどの活動では、メンバーの方々がアドバイスや作業協力をしてくださり、嬉しく感じました。1人ひとりのペースで、ときには支援員さんの提案を受けながら、自分で考え作業されていました。休憩中はメンバーさんからも気さくに話しかけてくれました。作品が完売したことなども話題となり、それがまた活動意欲につながっている方もいました。メンバーの方々とのミーティングでは、工房での活動や仲間との関わりにやりがいや楽しみを感じ、少しでも多く工房に来たいと思っている声を聞き、生活の一部として大切な居場所なのだろうな、と感じました。また、疾患の症状や自分の弱い部分に向き合いながら、日々の生活を努力されているお話を伺い、私も自己の課題や目標に向き合って頑張っていこうと思いました。2日間本当にありがとうございました。
宮山 奈緒美

たぬき工房での実習を通し、日々の活動や作業を通して身体状態の安定を図っていることや、自己の目標や夢に向かって自分と向き合い、一人一人の長所やできることをさらに伸ばした支援がされているとわかりました。利用者さん皆さんが「自分はこうなりたい」と意志を持ち、日々の活動へ参加されており、自己実現に向けて意欲的に作業を行っていることが感じられました。たぬき工房に来ると、「体調が良くなる」「気分が安定する」とおっしゃっている方がおり、利用者さんにとって、たぬき工房はかけがえのない場所なのだと感じました。
中村 悠

たぬき工房での実習を通して、利用される皆さんがこの工房に来ることで体調がコントロール出来ており工房に行くことを楽しみにしていることを知りました。疾患や症状はそれぞれであることに配慮し本日の体調や今の自分の能力に合わせて作業内容や時間を決めて行っていました。それが、生活にメリハリをつけることに繋がっていると感じました。朝決まった時間に起きて毎日来ることは大変で負担と感じる時もあると思いますが、それでもここに来たいと思うような場所であると2日間実習をして感じました。
髙橋 聖莉奈

2日間ご指導頂きありがとうございました。たった2日間でしたが、実習グループメンバーと向き合って来談者中心療法をさせて頂いたり、メンバーさんとミーティングをさせて頂き、自分のことについてすごく考え、発信できた実習でした。メンバーさんからは最後にとてもあたたかい言葉をかけて頂き本当にうれしかったです。
須山 楽

地域活動支援センターは、精神疾患を抱える方の生活支援をすることで、社会性を育み地域社会とのつながりを築く役割を担っていることがわかりました。また、『来談者中心療法』的な関りの実践から、自分のありのままを受け入れる難しさを痛感しました。同時に、メンバーミーティングで助言をいただくことで、「『こうしなければならない』でなく『自分がどうしたいのか』と考え行動することで、自分を信じ、受け入れられるようになる」と気づくことが出来ました。「他者の期待に応えられない自分」を嫌っていましたが、「肩の力を抜いて、自分に正直になり、勇気をもって行動すれば良い」という助言を受け、気持ちが軽くなり、以前より自分自身を許せるようになりました。2日間という短い時間の中でも自分の認識が変わったことに驚くとともに、「言葉の力」の大きさを実感しました。スタッフさんやメンバーさんからいただいた助言を支えに、今後は私が多くの人の心の支えになれるよう、学んでいきたいと思います。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
將基面 里夏
                                    
私の悩みにアドバイスをしていただいたくことで考え方の幅が広がりました。うなずいたり目線を向けたりして、親身に話を聞いてくださっていたことが嬉しかったです。利用者さんの今までの経験を交えた考え方から違う視点で物事を考えていくことが必要であることが理解できました。また、利用者さんが丁寧に作業する姿や革細工をわかりやすく教えてくださり、楽しく実習することができました。
赤間 汐莉

当センターが設置されていることで、精神疾患患者様の新しい居場所となり、また復職に対する支援を行えることを知りました。このことがその人らしさを保って生活する要因となっていることが分かりましたが、社会からの偏見がまだ強く根付いているため、打開策が必要であると感じました。
永野 佳代

たぬき工房は、千葉とは思えないほど静かな環境で、ログハウス調で木のにおいのするとても落ち着いた雰囲気のステキな場所です。実習を通して学生はその環境に「癒される」と言っています。また、利用者とのコミュニケーションを通して、コミュニケーションの難しさや重要性を感じているようです。
私は、たぬき工房で作成している革製品が大好きです。使い込めば込むほど革の風合いが出て、色の変化を楽しめます。また、染めた綿のスカーフもとても気に入っており、使っています。
千葉労災看護専門学校
教員: 竹部 恵美子

———-以上、コメント———-
                                    
実習を通し、「教科書にはない世界や価値を伝えられるのは、当事者であるメンバーしかいない」ということに気づかされます。それ故、なるべくメンバーとの接点を多角的に設ける実習内容にしていくことが、たぬき工房の役割だと思っています。
これからの医療を支える学生の未来に繋がるような実習となるよう、今後もスタッフ・メンバーが協力し、たぬき工房の価値を積み上げていきます。引き続き、応援よろしくお願いします。